2006年06月22日

ジュブナイル業界に吹く『西流』の風

そろそろ一部作品が終幕を迎える春改編のアニメ作品群でも“一人勝ち”の様を見せた『涼宮ハルヒの憂鬱』この間の第12話もライブシーンで圧倒的な作画と演出を見せ付けたのは記憶に新しい。いわゆる萌え系のキャラクターデザインなのに髪の動きや汗、表情にリアリティを持たせた作画は見事の一言だった。

さて、そんな涼宮ハルヒを制作するは京都アニメーションだが、この会社が他社と決定的に違うところがいくらかある。それは本拠地が関西(京都府宇治市)にあることと、完パケをほぼ自社のみで制作していること。現在TVアニメ70本という状態で東京の制作会社が制作だけでも忙殺され、韓国や東南アジアの安い動画下請けに頼っている現状、この会社は関西唯一の制作会社でありながら演出・作画・彩色・撮影・編集に至るまでほとんど自社で賄っているのだ。その秘訣は社員寮まで完備する労働集約型モデルと、養成所まで持つ一貫した育成システムにあるといえる。分業化が進みすぎた業界の中で一線を画するといっていいだろう。

しかしそれだけで先に述べた涼宮ハルヒが神作品になれただろうか。否、それだけではない。実のところ京アニクオリティはスタッフの距離が近いコミュニケーションにあるといえるが、これまで制作した作品の原作者もほぼ関西在住・出身者で占められている。まずハルヒ原作の谷川流さんは兵庫県在住、いとうのいぢさんは大阪を本拠地とするユニゾンシフトの原画家。過去に制作された作品では「AIR」のkeyも大阪の会社(ビジュアルアーツ)、「フルメタル・パニック!」シリーズの賀東招二さんも滋賀県出身。当然彼ら原作側との親密な関係なくしてあれほどの良作にはなれない。ひょっとしたらこれはアニメ・ゲーム・ラノベといったジュブナイル業界に『西流』の風が吹いているのだろうか?

しかし昔から関西出身のクリエイターは元気だ。例えば沖浦啓之氏や黄瀬和哉氏、木村貴宏氏に逢坂浩司氏を輩出したアニメアールは今でもサンライズ作品を中心に美麗な作画を担っている。ゲームでいえば京都を本社にする任天堂の他、カプコンやアクアプラスも大阪にある。今でこそ東京の一等地にあるコナミも創業の地は神戸だった。

もしかしたら今業界に元気を与えているのは、こうした関西系クリエイターの力なのかもしれない。
posted by みなみ いくのり at 21:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 萌え
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